【ブログ】「用途地域」と周辺環境から、需要が安定した事業を絞り込もう
◎地域の用途規制を調べよう
日本の都市計画は、土地の利用目的によって「用途地域」が分けられ、
建てられる建築物も決められています。
たとえば、「住居専用地域」は閑静で良好な環境での暮らしを維持するための地域です。
一戸建てや共同住宅のほか、学校、病院、中小規模店舗、事務所など以外は建てられません。
そして、住居専用地域のなかで規制がもっとも厳しい「第一種低層住居専用地域」
で空き家を活用する場合、事業可能なのはアパートや一戸建て賃貸などです。
カフェや料理店は営業できません。
また、アルコール類を出す居酒屋などは、
「第一種」以外の住居専用地域では開業できません (店舗併用住宅は可能ですが、非住宅部分の面積などに制限あり)。
反対に、「商業地域」や「準工業地域」は、
店舗やボウリング場などの遊戯施設や劇場、工場などのほか、
一戸建てやマンションも建てることができます。
その点、駅への近さや買い物のしやすさなどの利便性をウリにできるでしょう。
たとえば、民泊や貸しスペースにするなど、
空き家活用の方法は住居専用地域に比べて大きく広がります。
ただし、これらの地域は住居専用地域よりも環境が変化しやすいリスクがあります。
たとえば、大規模商業施設が撤退すると、集客にも影響を与えかねません。
そのため用途地域だけでなく、後述する周辺環境にも注意が必要になります。
◎周辺環境と需要を確認しよう
用途地域以外にも、自治体の条例などによって事業がさらに絞られます。
たとえば、コインランドリーをはじめようと考えたとします。
このとき、自治体によってコインランドリーを工場として扱うか、
店舗として扱うかが異なる点に注意が必要です。
それを前述の用途地域に当てはめてみると、
第一種低層住居専用地域では工場、店舗ともに不可ですが、
第二種中高層住居専用地域では、工場は不可ですが、店舗であれば可能です。
さらにポイントになるのが周辺環境と需要です。
仮に、駅から徒歩15分以上離れていると、単身者向けのアパートなどは少なく、
需要があまり見込めません。
しかし、近くに小学校がありファミリー層向けのマンションがあれば、
主婦層の需要が見込めるかもしれません。
ただし、同時に必要になるのが、近隣に競合がないか確認することです。
もし、同じエリアに最新機器を備えているコインランドリーがある場合、
専門業者が出店を諦めるほど。
それほど需要があり、早い者勝ちの事業といえます。
このように土地活用は、用途地域で決められた選択肢のなかから、
自治体の条例、周辺環境と需要などを加味して決めていくのが基本になります。
◎マンションは管理規約をチェック!
空き家が分譲マンションの居室で、事業化を検討する場合、
原則として居住することを前提にしているので注意が必要です。
(営業活動できるマンションと商用を禁止しているマンションがあります)
あらかじめ、「管理規約」、あるいは「使用細則」で確認することが大事です。
明文化されていない場合でも、管理組合に今後変更されることがないかを聞くようにしましょう。